歯科医院のホームページは自作できる?|ツール4種の比較と自作手順5ステップ【AI活用の実体験つき】

「開業資金が想定より膨らんでいる。

ホームページくらい、自分で作れないだろうか」

「制作会社の見積もりは50万円。

WixやWordPressなら数万円でできると聞いたが、素人が作ったサイトで患者さんは来るのだろうか」

結論を先に言えば、歯科医院のホームページは自作できます

ただし、自作が向いている医院と向いていない医院は、はっきり分かれます。

この記事では、自作と外注の分かれ目、ツール4種の比較、ドメイン取得から公開までの手順5ステップ、そして歯科ならではの注意点(医療広告ガイドライン・施設基準の掲載義務)まで、表で整理して解説します。

読み終わるころには、「自分は自作すべきか、任せるべきか」を自分の状況で判断できるようになります。

ホームページ制作の全体像(費用相場・制作会社の選び方・載せる中身)は、以下の完全ガイドで解説しています。

目次

結論——自作は「できる」。ただし節約できるのはお金ではなく、選択肢

結論——自作は「できる」。ただし節約できるのはお金ではなく、選択肢

まず、自作で何が得られて何を失うのかを、感覚ではなく表で押さえましょう。

項目自作制作会社に外注
初期費用◎ 数千円〜5万円程度△ 30万〜150万円が相場
月々の費用◎ サーバー・ツール代で月1,000〜3,000円程度△ 保守・リース込みで月5,000円〜3万円台
かかる時間△ 30〜60時間以上(学習込み)◎ 打ち合わせ数回。手を動かすのは制作側
デザイン・信頼感△ テンプレート次第。素人感が出やすい◎ 医療サイトの型で仕上がる
集患設計(検索対策・予約導線)△ 全部自分で学んで組む○ 会社の力量次第(要見極め)
修正・更新◎ 思い立った日に自分で直せる△ 依頼→反映のタイムラグと費用

注目してほしいのは、時間の行です。

自作の本当のコストは、お金ではなく院長先生の時間です。

ツールの学習、写真の準備、文章の執筆、スマホ表示の確認——初めてなら30〜60時間はかかります。

診療の合間にこの時間を捻出できるか、その時間を診療や経営改善に使ったほうがよいかが、最初の判断軸になります。

費用相場の詳しい内訳(なぜ50万円かかるのか・見積もりの読み方)は、以下の記事で解説しています。

自作に向いている医院・向かない医院——分かれ目は「時間」と「目的」

自作に向いている医院・向かない医院——分かれ目は「時間」と「目的」

次に、自分がどちら側かを確認しましょう。

判断基準は「腕」や「センス」ではなく、時間と目的です。

自作に向いている外注が向いている
開業時期開業まで3か月以上あり、準備時間を確保できる開業が迫っていて時間がない
目的まず「名刺代わり」の1枚があればよいホームページを集患の柱にしたい
競合環境周囲に競合が少ない・紹介中心の診療駅前など競合密集地で検索勝負になる
PC作業資料作成やブログ執筆が苦にならないPC作業に時間がかかる・好きではない
更新体制自分かスタッフが月1回以上さわれる作った後さわる余裕がない

とくに重要なのは目的の行です。

「診療時間と場所と診療内容が正しく載っている名刺代わりの1枚」なら、自作で十分に作れます。

一方、「検索で上位に出して、月に何人も新患を呼ぶ集患サイト」を自作でゼロから作るのは、正直かなりの根気が要ります。

検索対策・予約導線・写真・文章のすべてを自分で設計することになるからです。

おすすめの現実解は、段階を分けることです。

開業時はまず自作の1枚で名刺代わりを確保し、経営が軌道に乗ってから集患用に作り直す——この順番なら、初期費用を抑えつつ、後から本格化できます。

自作ツールはどれを選ぶ?——WordPress・STUDIO・Wix・ペライチの比較

自作ツールはどれを選ぶ?——WordPress・STUDIO・Wix・ペライチの比較

自作を選んだ場合、次の悩みは「どのツールで作るか」です。

代表的な4つを比べます。

項目WordPressSTUDIOWixペライチ
タイプ自分でサーバーに設置クラウド型(国産)クラウド型(海外)クラウド型(国産・1枚もの中心)
費用の目安サーバー月1,000円前後+ドメイン年1,500円前後無料〜月数千円無料〜月数千円無料〜月数千円
難易度△ 4つの中では最も高い○ 直感的◎ テンプレートが豊富◎ 最も簡単
デザイン自由度◎ テーマと知識次第で無限◎ 高い○ テンプレートの範囲では高い△ 1枚ものが中心
ページ追加・ブログ◎ 集患用に育てられる○ 可能○ 可能△ 苦手
引っ越し(データ移行)◎ 自分の資産として持ち出せる△ 実質作り直し△ 実質作り直し△ 実質作り直し

選び方の目安はこうです。

①将来ブログや症例ページを足して集患用に育てたい→WordPress

初期の学習は重いですが、ページ追加の自由度とデータを自分で持てる点で、育てる前提なら最有力です。

②とにかく早く・きれいに1枚→STUDIOかWix

テンプレートを選んで写真と文章を入れ替えれば、週末2〜3回の作業で公開まで行けます。

③開業告知だけ間に合わせたい→ペライチ

診療時間・地図・電話番号の1枚を最速で用意する用途に向いています。

注意したいのは引っ越しの行です。

クラウド型ツールのデータは基本的にそのサービス内でしか使えないため、あとで本格的に作り直すときは実質ゼロからのやり直しになります。

「まず簡易版→軌道に乗ったら本格版」の段階論で行くなら、この作り直しは織り込み済みのコストと考えておきましょう。

自作の手順5ステップ——ドメイン取得から公開まで

自作の手順5ステップ——ドメイン取得から公開まで

ここからは、実際に作る手順です。

どのツールでも、大きな流れは同じ5ステップです。

ステップやること目安時間
①ドメイン取得医院名のドメイン(例: ○○dental.com)を取得する30分
②ツール契約・初期設定サーバー契約(WordPressの場合)またはツール登録・テンプレート選択2〜5時間
③素材準備写真撮影・原稿執筆(診療案内・院長挨拶・アクセス)10〜20時間
④ページ作成テンプレートに素材を流し込み、スマホ表示を確認10〜20時間
⑤公開・登録公開設定→Googleビジネスプロフィールと連携→検索登録2〜3時間

ポイントを3つだけ補足します。

①ドメインは必ず医院側の名義で取得する

ドメインは住所と同じで、一度患者さんに覚えられたら簡単に変えられません。

後で制作会社に乗り換えるときも、自分名義なら住所ごと引き継げます。

③素材(写真と文章)が仕上がりの8割を決める

テンプレートのデザインがきれいでも、暗い写真と借り物の文章では信頼感が出ません。

外観・受付・診療室・スタッフの写真は、明るい時間帯にスマホでよいので枚数を撮っておきましょう。

⑤公開して終わりにしない

公開直後のサイトは、検索してもすぐには出てきません。

Googleビジネスプロフィール(Googleマップ)にホームページのURLを登録し、検索エンジンへの登録を済ませて、初めて「見つけてもらえる」状態になります。

WordPressを選んだ場合の検索対策の初期設定(パーマリンク・タイトル・サイトマップ)は、以下の記事で画面つきで解説しています。

AIに作らせるという新しい選択肢——実は当サイトも、外注せずに作っています

2026年現在、自作のハードルを大きく下げているのがAIです。

「デザインの知識がないから無理」「文章を書く時間がない」という従来の壁は、AIの登場でかなり低くなりました。

使い方は大きく2つあります。

①AI搭載のビルダーに叩き台を作らせる

WixやSTUDIOなどの作成ツールにはAI機能が組み込まれ、質問に答えるだけでデザインの叩き台が数分で出てきます。

ゼロから配置を考える必要がなくなり、先ほどの手順④「ページ作成」の時間を大きく短縮できます。

②生成AI(ChatGPTやClaudeなど)を相棒にする

診療案内や院長挨拶の下書き、載せる項目の整理、WordPressの設定でつまずいたときの質問相手——制作の各工程でAIに任せられる作業は、想像以上に多くあります。

そして、これは私たち自身の体験でもあります。

実は、当サイト(Dentique Atelier)も制作会社に外注せず、生成AIを活用して自作しています。

デザインの調整も、記事の図版づくりも、日々の更新もAIとの二人三脚です。

自作した実感として言えば——AIを使うと、先ほどの「30〜60時間の壁」は確実に縮みます。

AIに任せやすい作業人が必ず確認する作業
文章の下書き(診療案内・院長挨拶)医療広告ガイドライン上の表現チェック
デザインの叩き台・配色の提案診療時間・料金など事実情報の正誤
設定エラーやつまずきの解決策の相談施設基準など掲載義務の内容
図版・イラストの作成最終的な公開判断

注意点はひとつだけです。

AIの出力をそのまま公開しないこと

AIは断定調の「書きすぎた」文章を作りがちで、医療広告ガイドラインに触れる表現や、事実と異なる診療情報が混ざることがあります。

下書きと相談はAI、最終チェックは院長——この分担なら、時間を大きく節約しながら安全に公開できます。

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歯科ならではの注意点——「普通のホームページ」と同じ感覚で作ると危ない

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ここが、飲食店やサロンの自作サイトと決定的に違うところです。

医院のホームページには、法令上の決まりがあります。

①医療広告ガイドラインの対象になる

医院のホームページは、法律上「広告」として扱われ、書ける表現に決まりがあります。

たとえば「絶対に痛くない」「最高の技術」といった断定・最上級の表現、治療前後の写真を条件を満たさずに載せること、体験談の掲載などは、自作でやってしまいがちなNGです。

知らずに載せても指導の対象になり得るため、公開前に一度チェックが必要です。

NGとOKの線引きは、以下の記事で一覧にしています。

②施設基準の掲載義務がある

保険医療機関がホームページを持つ場合、届け出ている施設基準など、掲載が求められる事項があります。

「自作だから知らなかった」は通らないため、専用ページを1枚用意して対応しておきましょう。

何をどこまで載せる必要があるかは、以下のチェックリストで確認できます。

③問い合わせ導線を必ず用意する

電話番号はタップで発信できるように、予約は「電話かWeb予約か」が迷わず分かるように配置します。

せっかく見てもらえても、連絡手段が分かりにくければ患者さんは別の医院のページへ移ってしまいます。

自作でやりがちな失敗4つ——「作れた」と「機能している」は別物

自作でやりがちな失敗4つ——「作れた」と「機能している」は別物

最後に、自作サイトでよく起きる失敗を先回りで押さえましょう。

どれも「公開できた」ことに安心して起きるものです。

失敗何が起きるか予防策
スマホ表示を確認していない患者さんの7〜8割はスマホ閲覧。PCでは整っていてもスマホで崩れている公開前に必ず自分のスマホで全ページ確認
検索を意識していない「地域名+歯科」で検索しても出てこないページタイトルに「地域名+歯科医院名」を入れる。マップ登録を済ませる
公開後に放置診療時間の変更が反映されず、古い情報で患者さんが来院月1回の見直し日を決める。担当をスタッフに割り当てる
1人で抱え込む院長にしか更新できず、忙しくなった瞬間に止まる更新手順をメモ化してスタッフと共有

そして、これが一番大事な話ですが——自作には「引き際」があります

名刺代わりの段階では自作で十分です。

しかし「検索経由の新患を増やしたい」「自費診療の相談を増やしたい」という段階に入ったら、検索対策・コンテンツ設計・予約導線の作り込みが必要になり、片手間の自作では競合に勝てなくなってきます。

そのときは、自作サイトを土台に制作会社へ相談するのが合理的です。

ドメインを自分名義にしておけば、住所(URL)はそのままでプロ仕様に引き継げます。

制作会社に切り替えるときの選び方と、商談でそのまま使える質問リストは、以下の記事にまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 無料プランだけで公開してもいいですか?

名刺代わりでも、有料プラン(月数千円)をおすすめします。

無料プランは「ツール名の広告が表示される」「独自ドメインが使えない」ことが多く、医療機関としての信頼感を損ないやすいためです。

Q2. 開業前で写真がありません。どうすればいいですか?

内装完成後の引き渡し前後に撮影日を1日確保しましょう。

それまでは、完成予想図(パース)と院長の顔写真、診療方針のテキストで先行公開し、開業告知として使う方法があります。

Q3. 自作サイトからでも予約は取れますか?

取れます。

電話番号のタップ発信に加え、無料で始められる予約サービスやGoogleビジネスプロフィールの予約リンクを組み合わせれば、自作でもWeb予約の入り口は作れます。

Q4. 途中で挫折したらどうなりますか?

作りかけで止まるのが一番もったいないパターンです。

開業日が近いなら、無理に完成を目指さず「診療時間・地図・電話番号・院長挨拶」の1ページだけ先に公開してください。

1ページでも公開されていれば、患者さんは医院を見つけられます。

まとめ——今日からできる一歩

最後に、この記事の要点です。

  • 歯科医院のホームページは自作できる。

    ただし本当のコストはお金ではなく、30〜60時間の院長の時間。
  • 「名刺代わり」なら自作で十分。

    「集患の柱」にしたいなら外注が現実的。

    段階を分けるのが賢い順番。
  • ツールは、育てるならWordPress、早くきれいに作るならSTUDIOかWix、1枚だけならペライチ。
  • ドメインは必ず医院名義で取得する。

    後で乗り換えるときの資産になる。
  • 医療広告ガイドラインと施設基準の掲載義務は、自作でも免除されない。
  • AIを使えば自作のハードルはさらに下がる。

    ただし出力をそのまま公開せず、最終チェックは院長が行う。

今日からできる一歩: 医院名のドメインが空いているか、ドメイン検索サービスで確認してみてください。

取得まで30分もかかりません。

自作するにせよ外注するにせよ、ドメインを自分名義で押さえることが、ホームページづくりの最初の資産になります。

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この記事の監修:現役歯科医師(Dentique Atelier代表)

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