「AIでホームページが作れる時代らしい。
でも、デザインもプログラミングも素人の自分が作って、本当に患者さんに見せられるものになるのだろうか——」
この記事は、その疑問への「実物つきの答え」です。
実は、いま読んでいただいているこのサイト(Dentique Atelier)は、制作会社に外注せず、生成AIと二人三脚で自作したものです。
この記事では、実際にAIでホームページを作った工程を、任せた作業・人がやった作業・やらかした失敗談まで含めて公開します。
きれいな成功談だけでなく、公開後の点検で見つかった不具合の数まで正直に書きました。
「AIで自作」を検討している院長先生の判断材料になれば幸いです。
結論:AIを使えば「自作の壁」は大きく下がる——ただし主役は院長のまま

先に結論です。
AIを使えば、歯科医院のホームページの自作は現実的な選択肢になります。
理由はシンプルで、自作の最大の壁だった「時間」が大きく縮むからです。
従来の自作は、構成を考え、文章をゼロから書き、デザインで迷い、設定でつまずく——合計30〜60時間の世界でした。
このうち「ゼロから作る」部分は、いまはほとんどAIに任せられます。
実際、当サイトの制作でも、文章の下書き・デザインの調整・図版づくり・設定トラブルの解決まで、手を動かす作業の大半はAIが担いました。
ただし、誤解してほしくないことが1つあります。
AIは「代わりに全部やってくれる外注先」ではなく、「隣に座る優秀な助手」です。
診療時間や料金などの事実確認、医療広告ガイドライン上の表現チェック、そして「これを公開してよいか」の最終判断——ここは最後まで人の仕事でした。
この前提を持ったうえで、実際の工程を見ていきましょう。
当サイトの道具立て——使ったのは4つだけ

まず、何を使ったかです。
特別な機材も、プログラミング環境も使っていません。
| 道具 | 役割 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| WordPress+有料テーマ | サイトの土台。デザインの骨格と更新のしやすさ | テーマ買い切り1〜2万円前後 |
| レンタルサーバー+ドメイン | サイトの置き場所と住所 | 月1,000円前後+年1,000〜3,000円 |
| 生成AI(ChatGPT・Claudeなど) | 構成の相談・文章の下書き・デザイン調整・トラブル解決の相棒 | 月3,000円前後の有料プラン推奨 |
| 画像生成AI | 図版・イラストなど、写真以外のビジュアル | 使った分だけの従量制が中心 |
当サイトの場合、生成AIはClaude(クロード)を中心に使いました。
毎月の実費は、サーバー代とAI利用料を合わせても数千円台です。
制作会社に頼んだ場合の費用相場と比べたい方は、以下の記事で内訳まで整理しています。
工程実録①:構成と文章——「白紙とにらめっこ」が消えた

最初の工程は、ページ構成と文章づくりです。
ここがAIの一番の得意分野でした。
進め方は、AIとの「対話」です。
「歯科医院向けのWebマーケティング支援サイトを作りたい。誰に何を伝えるべきか、ページ構成から相談したい」と投げると、トップ・サービス案内・実績・問い合わせといった構成案が、理由つきで返ってきます。
それに対して「うちはこういう強みがある」「この順番は違う」と返しながら、骨格を固めていきました。
文章も同じ要領です。
伝えたい内容を箇条書きで渡すと、AIが読みやすい下書きに仕上げてくれます。
ゼロから書く苦しさは消え、「白紙に向かう時間」が「出てきた文章を直す時間」に置き換わりました。
ただし、実感として強調したいのはここです。
AIの下書きは、そのままでは使えませんでした。
事実と違う内容がもっともらしく混ざることがあるため、診療内容・数字・固有名詞は全て人が確認して置き換えています。
医院のホームページの場合は、さらに医療広告ガイドラインの制約もあります。
AIは「絶対に安心」「最高の治療」のような書きすぎた表現を平気で出してくるため、公開前のチェックは欠かせません。
NGとOKの線引きは、以下の記事で一覧にしています。
工程実録②:デザインと図版——「言葉で指示して、目で確かめる」の繰り返し

次に、デザインです。
「素人にはここが一番無理」と思われがちな工程ですが、進め方はシンプルでした。
言葉で指示して、出てきたものを目で確かめて、また言葉で直す。
これの繰り返しです。
たとえば当サイトの配色は、「生成り(きなり)の背景に、ネイビーと真鍮(しんちゅう)色を合わせた、落ち着いた品のある雰囲気に」という言葉の指示から始まっています。
「見出しをもう少し大きく」「スマホで見ると余白が詰まって見える」——そんな曖昧な伝え方でも、AIは意図を汲んで画面を直してくれます。
デザインの専門用語を知らなくても、往復を重ねれば形になります。
図版やイラストは、画像生成AIに任せました。
記事の見出し下の挿絵も、サービス案内の図解も、外部のデザイナーには一度も発注していません。
ここで、失敗談を1つ。
画像生成AIは、頼んでもいない英字の文字列をイラストの中に描き込んでくることがあります。
当サイトでも、意味をなさないアルファベットが紛れ込んだ図版に気づかず、そのまま記事を公開してしまったことがありました。
AIが作った画像は、公開前に1枚ずつ拡大して目視する——これは実害から学んだルールです。
なお、デザインで凝るべきは見た目の華やかさより「スマホでの見やすさ」です。
患者さんの7〜8割はスマホで見るため、確認は常にスマホ表示を基準にしていました。
表示速度とスマホ対応の考え方は、以下の記事で解説しています。
工程実録③:公開して終わりではなかった——AI総点検で不具合が続々見つかった

ここからが、成功談だけの記事には書かれていない部分です。
サイトを公開して数か月後、AIに全17ページの総点検をさせたところ、自分たちでは気づいていなかった不具合が次々に見つかりました。
実際に見つかった主なものを、そのまま挙げます。
| 見つかった不具合 | 何がまずいか | 防ぎ方・直し方 |
|---|---|---|
| ボタンの文字色が薄く、読みやすさの国際基準(コントラスト比)を満たしていない——ほぼ全ページ | 肝心の「問い合わせボタン」が高齢の患者さんに見えづらい | AIに基準値(WCAG)との比較で色を提案させ、濃い色に一括修正 |
| 濃い背景に濃い文字で、ほぼ見えないボタンが1つ | 押せることに誰も気づかない | 公開前にページ全体を上から下まで実際に触って確認 |
| 「本番公開時には差し替えます」という制作中のメモが公開されたまま | 実績ページの信頼を直接損なう | 公開前チェックリストに「仮置き文言の検索」を入れる |
| 日本語が語の途中で変に折り返される箇所が13か所 | 「チェッ|クリスト」のような読みにくい改行になる | スマホとPCの両方で実際の折り返しを目視 |
| 画像が重く、1ページの合計が20MB超 | 表示が遅くなり、開く前に離脱される | 画像は圧縮・縮小してから載せる |
ほかにも、問い合わせフォームの設定ミスで、届いたメールの改行が全て潰れて1行につながっていたこと。
比較表がスマホで1〜2文字ずつの縦割れになり、読めない状態になっていたこと。
——どれも「作れた」ことに安心して、公開後の確認を怠ったために起きた失敗です。
ここから言える教訓は1つです。
「公開できた」と「ちゃんと機能している」は別物。
そしてありがたいことに、この点検作業こそAIの得意分野でした。
全ページを機械的に調べさせれば、人の目では追いきれない抜け漏れまで拾ってくれます。
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実録から作った「AIに任せる作業・人がやる作業」の分担表

工程実録を踏まえて、当サイトで実際に機能した役割分担を表にまとめます。
これからAI自作に挑戦する方は、この分担から始めるのが安全です。
| 工程 | AIに任せた作業 | 人が必ずやった作業 |
|---|---|---|
| 企画・構成 | ページ構成案・競合の見せ方の整理 | 医院の強み・方針の決定 |
| 文章 | 診療案内・挨拶文などの下書き | 事実(診療時間・料金・経歴)の確認と修正 |
| デザイン | 配色・レイアウトの提案と修正作業 | 「患者さんに与えたい印象」の言語化と採否 |
| 図版 | イラスト・図解の生成 | 1枚ずつの目視チェック(謎の文字・変な描写) |
| 法令対応 | ガイドライン照合の一次チェック | 医療広告ガイドライン・施設基準の最終確認 |
| 公開後 | 全ページの総点検・不具合の洗い出し | 直す優先順位の判断・公開の最終責任 |
とくに保険医療機関の場合、ホームページには施設基準など掲載が求められる事項があります。
「自作だから知らなかった」は通らないため、公開前に以下のチェックリストで確認しておきましょう。
なお、自作の全体手順(ツール選び・5ステップ)は、以下の記事で体系的に解説しています。
本記事はその「AI活用の実録編」です。
AI自作が向いている医院・外注を選ぶべき医院
最後に、実際にやってみた立場からの向き不向きです。
AIで壁は下がりましたが、全ての医院に自作をおすすめするわけではありません。
| AI自作が向いている | 外注を選ぶべき |
|---|---|
| 開業までに時間の余裕がある | 開業直前で、他の準備に追われている |
| 文章や画面を自分の目で確認する意思がある | 確認の時間がどうしても取れない |
| まず小さく始めて、育てながら整えたい | 採用強化・自費率向上など、最初から高い成果を求める |
| 月々の固定費を抑えたい | 戦略設計から丸ごと任せたい |
判断の軸は「時間を出せるか」と「確認を自分でやり切れるか」の2つです。
この2つが難しいなら、無理にAI自作を選ばず、信頼できる制作会社に任せるほうが結果的に安くつきます。
会社選びの基準は、以下の記事にまとめています。
費用・会社選び・集患設計まで含めた全体像は、完全ガイドをどうぞ。
よくある質問
Q. プログラミングの知識は必要ですか?
ほぼ不要です。
当サイトの制作でも、コードを書く作業はAIに任せ、人は「日本語で指示を出す」ことに集中しました。
ただし「出てきた画面を確認する目」は必要です。
Q. AIに任せておけば、放置でホームページが完成しますか?
できません。
AIの出力には、事実と違う記述や、医療広告ガイドラインに触れる表現が混ざります。
下書きと作業はAI、事実確認と公開判断は院長——この分担が崩れると危険です。
Q. 結局、費用はどれくらいかかりますか?
当サイトの場合、実費はサーバー・ドメイン・テーマ代と、月数千円台のAI利用料だけです。
外注の相場と比較したい方は費用相場の記事をご覧ください。
ただし、お金の代わりに院長の時間を使う方法だという点は忘れないでください。
Q. 途中で挫折しそうになったら?
完璧を目指さず、「診療時間・場所・問い合わせ先が正しく載っている1ページ」から公開するのがコツです。
そこまで作れれば、あとはAIと一緒に少しずつ育てられます。
ツール選びから迷ったら自作手順の記事に戻ってみてください。
今日からできる一歩
AI自作を検討するなら、いきなり「サイト全体」から始めないことです。
まずは、生成AIに次のように頼んでみてください。
「歯科医院の診療案内ページの文章を書きたい。うちの特徴は〇〇。患者さん向けに、誇張のない落ち着いた文章で下書きを作って」
出てきた下書きを読んで、「これなら自分の言葉に直せそうだ」と感じられるかどうか。
それが、AI自作に向いているかどうかの一番確実なテストです。
数分で試せて、費用もほぼかかりません。
当サイトも、その小さな一歩の積み重ねでできています。
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LINEでもご相談いただけます。
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この記事の監修:現役歯科医師(Dentique Atelier代表)
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