歯科医院の広告費の相場はいくら?|集客予算の決め方と媒体別の配分【売上の何%が目安か】

歯科医院の広告費の相場はいくら?|集客予算の決め方と媒体別の配分【売上の何%が目安か】

「広告にいくら使えばいいのか、相場がまったく分からない——」

「毎月なんとなく広告費を払っているが、この金額が高いのか安いのか、判断のしようがない——」

歯科医院の広告費は、「相場」だけを調べても実は答えが出ません。

同じ月10万円でも、新患が10人来る医院と1人も来ない医院があるからです。

結論を先に言えば、広告費は「売上の何%」という相場感を出発点にしつつ、最終的には「新患1人をいくらで獲得できているか」で決めるのが正解です。

この記事では、歯科医院の広告費の相場、予算の決め方3ステップ、媒体別の配分、フェーズ別の考え方、費用対効果の測り方までを、順番に整理します。

広告費も含めた集客全体の設計図は、親記事の完全ガイドとあわせてお読みください。

目次

結論:広告費は「相場」ではなく「新患1人あたりの獲得単価」で決める

結論:広告費は「相場」ではなく「新患1人あたりの獲得単価」で決める

広告費の話になると、多くの院長先生が「よその医院はいくら使っているのか」を気にされます。

お気持ちはよく分かりますが、他院の金額を真似ても、自院の正解にはなりません。

理由はシンプルです。

立地も、診療メニューも、すでに来ている患者さんの数も、医院ごとに違うからです。

駅前でこれから開業する医院と、住宅地で20年続く医院では、必要な広告費がまったく異なります。

そこで判断の軸にしたいのが、「新患1人を獲得するのに、いくら掛かっているか(新患獲得単価)」です。

計算式は「広告費÷その広告経由の新患数」だけ。

この数字さえ見ていれば、「高いか安いか」「増やすべきか減らすべきか」を自院の実数で判断できます。

相場は、あくまでスタート地点の目安です。

この記事では相場もお伝えしますが、最後は必ず自院の獲得単価に落とし込む——この前提で読み進めてください。

歯科医院の広告費の相場——売上の何%が目安?

歯科医院の広告費の相場——売上の何%が目安?

まず、出発点としての相場感です。

一般に、歯科医院の広告宣伝費は「売上(医業収入)の3〜5%程度」が1つの目安とされています。

月の医業収入が500万円の医院なら、月15〜25万円のイメージです。

ただし、この数字はあくまで平均的な安定期の話です。

医院の状況によって、適正なレンジは大きく動きます。

開業直後は、売上の7〜10%程度まで厚くするのが一般的です。

まだ地域の誰にも知られていない段階では、認知を作ること自体が先行投資になるからです。

逆に、リコール(定期通院)の患者さんが十分に育ち、口コミや紹介で新患が安定して来る医院では、売上の1〜2%程度でも困らないケースがあります。

つまり相場は「3〜5%を中心に、医院のフェーズで1〜10%まで幅がある」と理解するのが実態に近いです。

もう1つ、見落とされがちな注意点があります。

「広告費ゼロ」に見える医院も、実際にはゼロではないことです。

ホームページの制作費・保守費、看板の設置費、ポータルサイトの掲載料——これらもすべて集客のためのコストです。

予算を考えるときは、まず「集客に関係する支出」を全部書き出して合計するところから始めてください。

集客予算の決め方——逆算の3ステップ

集客予算の決め方——逆算の3ステップ

相場感を押さえたら、次は自院の予算を決めます。

おすすめは、目標から逆算する次の3ステップです。

ステップ① 目標新患数を決める。

「毎月の新患を今の15人から25人にしたい」のように、まず欲しい新患数を数字で決めます。

チェアの数とスタッフ体制で診られる上限も、あわせて確認してください。

ステップ② 新患1人あたりに使える上限額を決める。

ここで使うのが、患者さん1人が生涯にもたらす価値(LTV)の考え方です。

たとえば定期通院に移行した患者さんが年間3〜5万円の診療を数年続けてくださるなら、1人の価値は10万円を超えます。

この視点に立つと、「新患1人の獲得に1〜2万円」は十分に回収できる投資だと分かります。

自費診療(インプラント・矯正など)が目的の広告なら、1件あたりの診療単価が大きいぶん、許容できる獲得単価はさらに上がります。

ステップ③ 「増やしたい新患数×許容獲得単価」で月予算を出す。

月に10人増やしたい、1人あたり1.5万円まで掛けられる、なら月予算は15万円です。

この式で出した金額を、先ほどの相場(売上の3〜5%)と見比べて、極端にずれていないかを確認すれば、根拠のある予算になります。

「そもそも新患が減っていて、予算どころではない」という場合は、原因の切り分けが先です。

以下のページで立て直しの手順を解説しています。

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媒体別の費用と配分——ストック型とフロー型に分けて考える

媒体別の費用と配分——ストック型とフロー型に分けて考える

予算が決まったら、どこに配分するかです。

歯科の集客チャネルは、大きく2種類に分かれます。

1つは「ストック型」——ホームページ・SEO・Googleビジネスプロフィール(MEO)・口コミのように、積み上げると資産になり、止めても効果が残るもの。

もう1つは「フロー型」——Google広告・SNS広告・ポータルサイトのように、払っている間だけ効果が出るものです。

主な媒体の費用感と性質を、一覧表にまとめました。

媒体費用の目安特徴・向いている場面
ホームページ(制作・改善)ストック制作30〜150万円+保守月1〜3万円全チャネルの受け皿。ここが弱いと他の広告費も無駄になる最優先投資
SEO(ブログ・コンテンツ)ストック内製なら人件費のみ/外注は月数万円〜効果が出るまで数ヶ月掛かるが、育てば広告費ゼロで新患を呼び続ける
Googleビジネスプロフィール(MEO)ストック自院運用なら無料/代行は月1〜5万円「地域名+歯医者」検索に直結。費用対効果が最も高い部類
Google広告(リスティング)フロー月5〜30万円程度「今探している」顕在層に即日届く。開業時・テコ入れ時の即効薬
SNS広告(Meta等)フロー月3〜20万円程度まだ探していない潜在層への認知。自費メニューの訴求と相性が良い
ポータルサイト掲載フロー月1〜10万円程度手軽だが競合と並列比較される。依存すると値上げに弱い
チラシ・看板などオフラインフロー中心チラシ1回10〜30万円/看板は設置費+月額診療圏の高齢層・ファミリー層に届く。Webと併用で効果を測る

配分の基本方針は、「まずストック型を整え、足りない分をフロー型で補う」です。

ストック型は効果が積み上がるため、時間が経つほどフロー型への依存度を下げられます。

目安としては、安定期の医院なら予算の5〜7割をストック型(HP改善・SEO・MEO・口コミ)に、残りをフロー型に充てる配分をおすすめします。

なお、Google広告などを出す際は、医療広告ガイドラインの規制も必ず確認してください。

出せる表現・出せない表現は、以下のページで整理しています。

フェーズ別の考え方——開業期・安定期・テコ入れ期で配分は変わる

フェーズ別の考え方——開業期・安定期・テコ入れ期で配分は変わる

同じ医院でも、フェーズによって最適な配分は変わります。

3つの時期に分けて整理します。

フェーズ予算の目安配分の考え方
開業期(〜1年)売上目標の7〜10%認知ゼロからの立ち上げ。HP+MEOを最優先で整え、Google広告で初動の新患を確保。内覧会・チラシも診療圏に集中投下
安定期(リコール充実)売上の1〜3%フロー型広告は縮小し、HP改善・SEO・口コミというストック型の維持改善に集中。獲得単価の定点観測だけ続ける
テコ入れ期(新患減少)売上の3〜5%+α原因の切り分けが先。認知の問題ならMEO・広告を増強、選ばれ方の問題ならHP・口コミを改善。やみくもな増額はしない

ポイントは、広告費は「ずっと同じ額を払い続けるもの」ではないということです。

開業期に厚く投資し、ストック型が育つにつれて段階的に減らしていく——これが歯科医院の広告費の健全な推移です。

何年経ってもフロー型広告への依存度が下がらない場合は、受け皿であるHPか、再来院の仕組みに課題があるサインです。

再来院の仕組み(リコール率)の改善は、広告費を掛けずに売上を伸ばす最有力の打ち手です。

詳しくは以下のページをご覧ください。

費用対効果の測り方——「なんとなく継続」を卒業する3つの数字

費用対効果の測り方——「なんとなく継続」を卒業する3つの数字

予算と配分を決めたら、最後は効果測定です。

難しい分析は要りません。

次の3つの数字だけ、毎月記録してください。

数字① 媒体別の広告費。

Google広告・ポータル・チラシなど、どこにいくら払ったかを月ごとに分けます。

数字② 媒体別の新患数。

問診票に「当院を何で知りましたか」の欄を設け、受付で必ず記録します。

電話予約には「ホームページを見たとおっしゃっていましたか」の一言を添えるだけでも精度が上がります。

数字③ 媒体別の新患獲得単価(①÷②)。

これが冒頭でお伝えした判断軸です。

媒体ごとに並べれば、「続ける・増やす・やめる」が数字で決められます。

たとえば、ポータルサイトに月5万円払って新患1人なら獲得単価5万円。

MEOの改善に月2万円掛けて新患5人なら4,000円です。

この差が見えた瞬間、予算の置き場所は自然に決まります。

注意したいのは、獲得単価だけで「高い媒体=悪い媒体」と即断しないことです。

自費相談につながる広告は、獲得単価が高くても1件の診療単価で十分回収できることがあります。

獲得単価とセットで、「その媒体から来た患者さんが、その後どれだけ通ってくださったか」まで見られると理想的です。

よくある失敗3つと見直しのポイント

最後に、広告費の相談で実際によく出会う失敗パターンを3つ挙げます。

自院に当てはまるものがないか、確認してみてください。

失敗1:効果を測らないまま、惰性で払い続けている

最も多いパターンです。

開業時に契約したポータルサイトや看板を、「やめたら減る気がして」何年も継続しているケース。

前の章の3つの数字を1度計算するだけで、続けるべきかは判定できます。

効果の見えない固定費は、年に1回必ず棚卸ししてください。

失敗2:受け皿のHPが弱いまま、広告だけ増やしている

広告は患者さんを「入口まで」連れてくる道具です。

クリックした先のHPが古い・分かりにくい・スマホで見づらい状態では、広告費はザルに水を注ぐように消えます。

広告を増やす前に、HPという受け皿の点検が先です。

HPの集患設計はWeb集患 完全ガイドで解説しています。

失敗3:業者の見積もりを、相場も判断軸もないまま受けている

「MEO対策 月5万円」「SEO対策 月10万円」といった見積もりは、金額だけでは高いとも安いとも言えません。

判断軸はここでも獲得単価です。

「その施策で新患が月に何人増える想定か」「増えなかった場合はどう検証するか」を発注前に確認し、この記事の相場表と照らし合わせてください。

数字で答えられない業者への発注は、慎重になるべきです。

まとめ:予算は逆算で決め、獲得単価で見直す——今日からできる一歩

歯科医院の広告費は、相場(売上の3〜5%)を出発点に、「目標新患数×許容獲得単価」の逆算で決める。

配分は「ストック型を主役に、フロー型で補う」。

そして毎月、媒体別の獲得単価で見直す。

この型さえあれば、広告費は「なんとなく出ていくお金」から「増やす理由も減らす理由も説明できる投資」に変わります。

今日からできる一歩は、直近3ヶ月の「集客に使ったお金」と「新患数」を書き出して、新患1人あたりの獲得単価を1回計算してみることです。

所要は15分ほどです。

その1つの数字が、来月からの広告費の増減、業者との交渉、配分の見直し——すべての判断の物差しになります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 開業したばかりで売上がまだ読めません。広告費はどう決めればいいですか?

開業期は「売上の◯%」が使えないため、目標から逆算します。

「初月から月◯人の新患が必要」という損益分岐の人数を出し、1人あたり1〜2万円の獲得単価を掛けた金額が目安です。

配分は、まずHPとGoogleビジネスプロフィールを万全に整え、そのうえでGoogle広告と内覧会・チラシに投下する順番をおすすめします。

Q2. 広告費を掛けずに新患を増やす方法はありますか?

あります。

Googleビジネスプロフィールの充実、口コミへの丁寧な返信と依頼の仕組み化、HPの改善、ブログでの情報発信は、いずれも掛かるのは主に手間で、積み上がるストック型の施策です。

ただし効果が出るまで数ヶ月単位の時間が掛かるため、「急いで増やしたい」場面ではフロー型広告との併用が現実的です。

Q3. Google広告とSNS広告は、どちらを優先すべきですか?

「歯医者を今探している人」に届くのはGoogle広告(検索連動)なので、新患獲得が目的なら原則Google広告が先です。

SNS広告は、まだ探していない層への認知づくりや、矯正・ホワイトニングなど自費メニューの訴求に向いています。

予算が限られるうちは、Google広告+MEOの組み合わせから始めるのが定石です。

Q4. ポータルサイトはやめてもいいのでしょうか?

獲得単価を計算してから決めてください。

「月額÷そのポータル経由の新患数」が、他の媒体より明らかに高いなら、縮小・解約の候補です。

ただし解約前に、自院のHP・Googleビジネスプロフィールが十分に育っていることを確認してください。

受け皿が弱いまま切ると、一時的に新患が減ることがあります。

Q5. 広告費は経費として、どこまで認められますか?

医院の集患を目的とした支出——Web広告、チラシ、看板、HP関連費用などは、原則として広告宣伝費などの経費になります。

ただし、看板の設置工事など金額や内容によっては資産計上して減価償却するものもあります。

具体的な処理は医院ごとの状況によるため、顧問税理士に確認してください。

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この記事の監修:現役歯科医師(Dentique Atelier代表)

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