結論:Webマーケティング費用の全体像——施策別の相場早見表

「HP制作会社からは月2万円の保守、広告代理店からは月10万円、SNSの代行会社からは月8万円の見積もり」
「それぞれの金額が高いのか安いのかも、全部でいくら掛けるのが普通なのかも、比べる物差しがない」
Webマーケティングの費用の悩みは、ほとんどがこの「物差し不足」から来ています。
施策ごとの相場は調べれば出てきますが、全施策を横に並べて「総額いくら・どう配分するか」を教えてくれる情報が少ないからです。
結論からお伝えします。
歯科医院のWebマーケティング費用は、外注中心なら月5万〜30万円、自院でやる部分を増やせば月0円〜数万円まで下げられます。
そして大事なのは総額よりも、「どの施策に・どの順番で・いくら振るか」という配分のほうです。
この記事は、施策別の相場を1枚の早見表に横串でまとめ、月3万・10万・30万円の予算別配分モデルまで落とし込む「費用専用」の記事です。
施策そのものの選び方と進める順番は、親記事と優先順位の記事で解説しています。
- 歯科医院のWebマーケティング完全ガイド|何から始める?施策の優先順位と費用・体制まで【2026年版】
- 歯科医院のWeb集患は順番が9割|施策の優先順位マップと次へ進む完了基準【フェーズ別ロードマップ】
まず、主要施策の費用相場を1枚にまとめます。
ポイントは「初期費用」と「月額費用」、そして「自院でやれば0円にできるか」の3列です。
| 施策 | 初期費用の相場 | 外注時の月額相場 | 自院でやる場合 | 効果が出るまでの目安 |
|---|---|---|---|---|
| ホームページ制作 | 30万〜150万円 (テンプレート〜セミオーダー) | 保守5,000円〜2万円 | ツール自作なら初期数万円〜(AI活用も可) | 公開直後から受け皿として機能 |
| Googleビジネスプロフィール(MEO) | 0円 | 代行1万〜5万円 | 0円(登録・入力とも無料) | 1〜3ヶ月 |
| 口コミの仕組みづくり | 0円 (依頼カード等の実費のみ) | ツール利用5,000円〜3万円 | 0円(依頼と返信の仕組み化) | 1〜3ヶ月 |
| SEO・ブログ | 0円(HPに機能があれば) | 記事外注1本1万〜5万円 コンサル5万〜15万円 | 0円(院長・スタッフ執筆) | 3〜6ヶ月〜 |
| SNS(Instagram等) | 0円 | 運用代行5万〜15万円 | 0円(投稿を内製) | 3ヶ月〜 |
| Web広告 | 初期設定0〜10万円 | 広告費5万〜20万円 +運用手数料(広告費の約20%) | 少額なら自院運用も可(学習時間は必要) | 出稿直後から |
| LINE公式アカウント | 構築0〜30万円 | 無料プラン0円〜/有料5,000円〜 | 基本機能は0円で開始可 | 導入直後から(再来院向け) |
この表でまず押さえてほしいのは、「0円」と書いた施策が4つもあることです。
Webマーケティング=お金が掛かるもの、というイメージは半分だけ正解で、土台の施策ほどお金より手間で戦える構造になっています。
ここから、この表の読み方と配分の考え方を順に解説します。
費用は「初期費用」と「月額費用」に分けて考えます

見積もりを比べる前に、費用の性質をひとつだけ整理させてください。
Webマーケティングの費用は、「一度だけ払う初期費用」と「払い続ける月額費用」の2種類に分かれます。
この2つを混ぜたまま考えると、判断を必ず間違えます。
初期費用の代表はホームページ制作です。
30万〜150万円と幅がありますが、5年使えば月あたり5,000円〜2.5万円に換算できます。
一度作れば受け皿として働き続けるので、性質としては「設備投資」に近いお金です。
ユニットや院内内装と同じで、耐用年数で割って考えると高い・安いの判断がしやすくなります。
一方、月額費用の代表は広告費と運用代行費です。
こちらは払うのをやめた瞬間に効果も止まる「燃料代」の性質を持っています。
だから、月額費用を組むときは「やめたら何が残るか」を必ず自問してください。
広告は止めたら表示も止まりますが、SEOの記事や積み上がった口コミは、外注をやめても資産として残り続けます。
設備投資(初期)は多少掛けても長く効く、燃料代(月額)は身の丈を超えると診療を圧迫する。
この区別が、次の予算配分モデルの土台になります。
なお、ホームページ制作費そのものの内訳と見積もりの読み方は、以下のページで詳しく解説しています。
- 歯科医院のホームページ制作費用はいくら?|相場の内訳と適正予算の決め方【見積もりの読み方つき】
- 歯科医院のホームページ、公開してから放置していませんか?|運用・保守でやること9つと費用相場【月30分の型】
予算配分モデル——月3万円・10万円・30万円でできること【一覧表】

それでは本題の配分です。
ここでは、歯科医院のWeb予算として現実的な3つの水準——月3万円・月10万円・月30万円——で、何にいくら振るかのモデルを示します。
前提はひとつだけ。
配分の順番は、受け皿(HP)→見つかる(マップ)→選ばれる(口コミ)→広げる(SEO・SNS・広告)という集患の優先順位に従う、ということです。
| 予算 | 型 | 配分の内訳(月額) | この予算でやらないこと |
|---|---|---|---|
| 月3万円 | 土台維持型 | HP保守1万円+Googleビジネスプロフィール・口コミは自院で0円運用+残り2万円は予約導線などHPのスポット改善に積み立て | 広告・運用代行。月3万円では広告は「効く量」に届かず、代行は1施策も頼めない |
| 月10万円 | 土台+一点突破型 | HP保守1万円+土台の0円運用を継続+残り約8万円を「広げる施策1つだけ」に集中(Web広告 or SNS運用代行 or SEO記事外注) | 広げる施策の2つ同時着手。8万円を2つに割ると、どちらも効く量に届かない |
| 月30万円 | 併走型 | HP保守1〜2万円+広告10〜15万円(手数料込み)+SNSまたはSEOに5〜10万円+残りを改善費に | 土台(マップ・口コミ)の外注丸投げ。ここは金額でなく院内の仕組みで決まるため、予算があっても自院関与を残す |
このモデルの肝は、予算が増えても「土台は0円施策のまま自院で回し続ける」ことです。
マップの情報更新と口コミの依頼・返信は、外注しても月数万円ですが、効果を左右するのは現場の患者さんとの接点そのものだからです。
逆に、広告のように「お金がそのまま表示量になる」施策は、予算が乗った段階で足すのが効率的です。
広告費のより詳しい決め方——売上に対する目安や媒体ごとの配分——は、広告費専用の記事に分けています。
0円でできる施策と、お金を掛けるべき施策の見分け方

「0円でできるなら、全部自分でやれば良いのでは」
そう思った方のために、内製と外注の線引きをはっきりさせておきます。
見分ける物差しは、「お金で買っているものが何か」です。
Googleビジネスプロフィールと口コミは、お金で買えるものがほとんどありません。
入力する情報も、依頼する相手も、返信する言葉も、すべて院内にしかないからです。
代行に頼んでも、業者がやれるのは入力代行と文面作成まで。
ここは予算に関係なく、自院でやりきる施策と考えてください。
一方、ホームページ制作とWeb広告は、お金で「専門技術」と「時間」を買う施策です。
デザイン・システム・広告運用の知識をゼロから学ぶ時間で診療をしたほうが、院長の時給としては割に合います。
SEOとSNSはその中間で、「発信の中身」は院内にしかありませんが、「形にする作業」は外注できます。
記事の骨子や投稿のネタは院長が出し、仕上げだけ外注する折衷が、費用対効果の良い組み方です。
この内製・外注の判断は、費用だけでなく院内の体制にも関わるテーマなので、次回の記事で選び方の基準ごと詳しく扱う予定です。
外注先ごとの費用相場は、施策別の各記事にまとめています。
費用対効果の確かめ方——「新患1人あたりいくら」で見ます

予算を組んだら、次は「その費用が高いか安いか」を確かめる物差しが必要です。
おすすめは、施策ごとに「新患1人あたりいくら掛かったか」を計算することです。
計算はかんたんで、その施策に使った月の費用を、その施策経由の新患数で割るだけです。
たとえば、広告に月10万円使って新患が5人増えたなら、新患1人あたり2万円。
この数字だけ見ると高く感じるかもしれません。
でも、歯科の患者さんは1回で終わらず、治療後もメンテナンスで通い続けてくれます。
1人の患者さんが長期で医院にもたらす価値から見れば、獲得に2万円は十分に採算が合う、という判断もできるわけです。
大事なのは、絶対の正解を求めることではなく、施策どうしを同じ物差しで比べることです。
「広告は1人2万円、SEOは記事外注費から計算すると1人8,000円」と並べば、次の予算をどちらに寄せるかは自然に決まります。
そのためには、新患の方に「何を見て来院されましたか」を聞く問診票の一項目が欠かせません。
今日から入れられる、費用0円の計測ツールです。
安さで選んで高くつく失敗パターン【契約前チェック】

最後に、費用の話で一番損が大きい落とし穴に触れておきます。
それは、金額の安さだけで契約して、結果的に高くつくパターンです。
実際によくある3つを挙げます。
1つ目は、初期0円・月額1万円台のホームページ契約です。
月額が安く見えても、5年縛りの総額で計算すると60万〜100万円を超え、しかも解約するとサイトが手元に残らない契約が少なくありません。
2つ目は、成果の定義がない運用代行です。
「投稿します」「更新します」という作業の約束だけで、新患やアクセスの報告がない契約は、費用対効果の計算そのものができません。
3つ目は、順位保証や件数保証をうたうMEO・口コミ系の格安業者です。
保証の実態が規約違反の手法だった場合、ペナルティを受けるのは医院側です。
契約前に確かめることは3つだけです。
総額(契約期間×月額+初期費用)はいくらか。
解約したら何が手元に残るか。
毎月何の数字を報告してくれるか。
この3問に即答できない相手との契約は、金額がいくら安くても見送りが正解です。
制作会社の料金と契約条件は、実際に10社を調査した以下の記事が比較の物差しになります。
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よくある質問(FAQ)
結局、平均的な歯科医院は月いくら掛けているのですか?
外注をどこまで使うかで大きく変わるため、「平均額」はあまり当てになりません。
実務の感覚では、土台を自院で回す医院は月1万〜5万円、広告や代行を使う医院は月10万〜30万円が多い水準です。
大切なのは他院との比較ではなく、自院の予算内で配分の順番を守ることです。
予算がほとんど取れません。月1万円でもできることはありますか?
あります。
Googleビジネスプロフィールの整備と口コミの仕組みづくりは0円で始められ、集患の土台としては最優先の施策です。
月1万円はホームページの保守・小さな改修に充て、広げる施策は土台が整ってから検討すれば十分です。
広告費はいくらから始めるべきですか?
効果を判断できる最低ラインとして、月5万円程度からをおすすめしています。
それ未満だと表示量が足りず、「効いたのか効かなかったのか分からないままお金だけ減る」状態になりがちです。
売上規模からの逆算や媒体ごとの配分は、広告費の記事で詳しく解説しています。
費用を掛けているのに新患が増えません。何から見直すべきですか?
まず、施策ごとの「新患1人あたり費用」を計算し、どこにお金が消えているかを特定してください。
次に多い原因は配分の順番違いで、受け皿(HP・予約導線)が弱いまま広告やSNSにお金を掛けているケースです。
その場合は、広げる施策をいったん縮小し、土台に予算を移すのが近道です。
まとめ——今日からできる一歩
歯科医院のWebマーケティング費用のポイントをまとめます。
費用は「初期(設備投資)」と「月額(燃料代)」に分けて考える。
配分は優先順位に従い、土台の0円施策は予算があっても自院で回す。
広げる施策は、月3万円なら我慢、月10万円なら1つだけ、月30万円なら併走。
そして高い・安いは、「新患1人あたりいくら」の物差しで確かめる。
この4つを守れば、限られた予算でも迷わず配分できます。
今日からできる一歩は、いまWeb関連で毎月払っているお金をすべて書き出して、最初の早見表の相場と見比べることです。
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