歯科医院のホームページ制作会社の選び方|比較ポイント7つと危ない会社の見分け方【商談で使える質問リスト10】

「ホームページ制作会社を検索したら、どこも『歯科に強い』『実績多数』と書いてある——正直、違いが分からない」

「前の会社では、更新のたびに追加費用を請求された。

次こそ失敗したくないが、何を基準に選べばいいのか」

実は、制作会社選びの失敗は「悪い会社に当たった」ことよりも、比較の軸を持たずに選んだことが原因のケースがほとんどです。

見た目のきれいさと営業トークだけで決めると、契約後に「集患につながらない」「解約したらサイトが消えた」という後悔につながります。

結論を先に言えば、やることは3つです。

①比較ポイント7つで2〜3社を横並びにする ②危ない会社のサインを契約前に確認する ③所有権・ドメイン・解約条件を書面で確かめる——この順番で見れば、大きな失敗はほぼ防げます。

この記事では、歯科専門と総合制作会社の違い、比較ポイント7つ、危ない会社の見分け方、そして商談でそのまま使える質問リスト10を、表で整理して解説します。

読み終わるころには、候補の会社を自分の基準で採点できるようになります。

ホームページ制作の全体像(費用・作り方・載せる中身)は、以下の完全ガイドで解説しています。

目次

制作会社選びで失敗する本当の理由——「見た目」と「営業トーク」で選んでいるから

制作会社選びで失敗する本当の理由——「見た目」と「営業トーク」で選んでいるから

まず、なぜ失敗が起きるのかを整理します。

制作会社と医院のあいだには、大きな情報の差があります。

院長先生がホームページを発注するのは、開業やリニューアルのタイミングくらいで、多くても人生で数回です。

一方、制作会社は毎月何件も契約を取るプロで、商談の進め方も断られたときの切り返しも磨き込まれています。

この差がある状態で「デザインが気に入ったから」「営業の人が感じよかったから」と決めると、判断の材料が相手の見せたいものだけになります。

失敗パターンは、だいたい次の3つに集約されます。

失敗パターン起きること原因
集患につながらないきれいなサイトはできたが、新患が増えないデザインだけで選び、集患設計(検索対策・予約導線)を確認しなかった
費用が膨らむ更新のたびに追加請求。月額の内訳が不明見積もりの範囲と月額に含まれる作業を確認しなかった
解約できない・サイトが消える解約したらドメインもデータも会社のもので、ゼロからやり直し所有権と解約条件を契約前に確認しなかった

逆に言えば、この3つはすべて契約前の確認だけで防げる失敗です。

次のセクションから、その確認の軸を順番に用意していきます。

歯科専門と総合制作会社、どちらを選ぶ?——違いは「歯科の集患を知っているか」

歯科専門と総合制作会社、どちらを選ぶ?——違いは「歯科の集患を知っているか」

最初の分かれ道は、「歯科専門(医療特化)の会社」と「業種を問わない総合制作会社」のどちらにするかです。

それぞれに向き不向きがあるので、優劣ではなく違いとして押さえましょう。

項目歯科専門・医療特化総合制作会社
歯科の集患知識◎ 診療圏・自費/保険・予約導線を前提に設計できる△ 会社による。歯科実績の有無を要確認
医療広告ガイドライン◎ 対応が標準装備のことが多い△ 知らない会社もある(要確認)
デザインの幅△ テンプレート的で似た見た目になりやすい◎ 幅が広く、独自性を出しやすい
費用感相場どおり〜やや高め。月額込みプランが多いピンキリ。安いが医療の勘所は薄いことも
向いている医院集患を最優先したい。丸ごと任せたいデザインにこだわりたい。指示を自分で出せる

判断の軸はシンプルです。

「歯科の集患実績を、医院名と数字で見せられるか」——専門か総合かの看板より、この一点のほうがずっと重要です。

「歯科専門」と名乗っていても、作って終わりの会社はあります。

逆に総合制作会社でも、歯科医院の実績が豊富で医療広告ガイドラインを理解している会社なら、十分に候補になります。

ホームページで新患を増やす仕組みそのものは、以下の記事で詳しく解説しています。

失敗しない比較ポイント7つ——見積もりを取る前にこの表で見る

失敗しない比較ポイント7つ——見積もりを取る前にこの表で見る

候補を2〜3社に絞ったら、次の7つのポイントで横並びに比較します。

順番も重要度順に並べているので、上から確認してください。

#比較ポイント確認すること
1歯科・医療の実績歯科医院の制作実績を医院名つきで見せられるか。実際にそのサイトを検索して確認できるか
2集患の設計力「作った後どう新患を増やすか」を語れるか。検索対策・地図対策・予約導線の具体策があるか
3費用の透明性初期費用と月額の内訳が書面で明示されるか。月額に含まれる作業(更新回数など)が明確か
4所有権とデータドメイン・サーバー・サイトデータの名義が医院側になるか。解約時に持ち出せるか
5医療広告ガイドライン対応限定解除の要件や施設基準の掲載義務を知っているか。「知らない」は歯科では致命的
6更新・保守の体制公開後の修正依頼にどのくらいの速さ・費用で対応するか。担当者は固定か
7担当者との相性専門用語をかみ砕いて説明できるか。質問への回答が具体的か

特に見落とされがちなのが、4番の所有権です。

ここを確認しないまま契約すると、数年後に会社を変えたくなったとき、サイトもドメインも手元に残らないという事態が起きます(詳しくは後述します)。

費用の適正ラインは、相場を知っているだけで判断できるようになります。

制作費用の内訳と5年総額の考え方は、以下の記事で解説しています。

“危ない会社”の見分け方——契約前に気づける6つの危険サイン

次に、避けるべき会社のサインを押さえます。

どれも商談の段階で気づけるものばかりです。

危険サイン何が問題か
①電話・訪問の押し売り営業「今日契約すれば割引」と即決を迫る。じっくり比較されると困る事情がある
②リース契約・長期縛りホームページは形のない制作物で、本来リースになじみません。5〜7年縛りで総額が高額化し、中途解約もできない契約は要注意
③「上位表示保証」などの断定検索順位は保証できるものではありません。できない約束をする会社は他の説明も信用できない
④見積もりの内訳がない「一式◯◯万円」だけで作業内容が不明。あとから「それは別料金」が起きる典型
⑤ドメイン・データを会社名義にする解約=サイト消滅の構図。医院を離れられなくするための設計になっていることも
⑥制作実績を見せられない「守秘義務で見せられない」を多用する。実在の実績があれば、許可を取って見せられるはず

ひとつ補足すると、②のリース契約は歯科業界で実際にトラブルが続いてきた形態です。

月々の支払いが小さく見えても、5年縛りなら総額は数百万円になり、しかも途中でやめられません。

サインが1つでも当てはまったら即アウト、とまでは言いません。

ただし2つ以上重なったら、その会社は候補から外す——これを目安にすると判断がぶれません。

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商談で聞くべき質問リスト10——答え方で実力が分かる

商談で聞くべき質問リスト10——答え方で実力が分かる

比較の軸と危険サインが分かったら、あとは商談で確かめるだけです。

そのまま使える質問を10個、見るべきポイントとセットで用意しました。

#質問良い回答の例
1歯科医院の制作実績を見せてもらえますか?医院名つきで複数出てくる。サイトのURLも教えてくれる
2そのうち、新患が増えた事例はありますか?「月◯件の問い合わせが◯件に」など数字で語れる
3公開後、新患を増やすために何をしてくれますか?検索対策・地図対策・改善提案など公開後の動きが具体的
4見積もりの内訳を項目ごとに出してもらえますか?設計・デザイン・ページ数・撮影などが分かれて出てくる
5月額費用には何が含まれますか?更新回数・保守範囲・レポート有無が明確
6ドメインとサーバーの名義はどちらになりますか?「医院様名義です」と即答。または医院名義への変更に応じる
7解約した場合、サイトのデータはどうなりますか?データ一式の引き渡し条件が契約書に明記されている
8医療広告ガイドラインへの対応はどうしていますか?限定解除・体験談NG・施設基準の掲載義務などが具体的に出てくる
9制作期間と、こちらで準備するものを教えてくださいスケジュールと役割分担が明確。丸投げを安請け合いしない
10担当者は途中で変わりますか?窓口の体制と、変わる場合の引き継ぎ方法を説明できる

全部を聞く必要はありません。

最低でも1・3・4・6・7の5つを聞けば、危ない会社はほぼ商談の段階でふるい落とせます。

ちなみに8番に出てくる施設基準の掲載義務は、2025年6月から完全義務化された保険診療上のルールです。

制作会社がこれを知らない場合、公開後に自院が指導リスクを負うことになります。

契約前の最終チェック——所有権・ドメイン・解約条件で後悔しない

契約前の最終チェック——所有権・ドメイン・解約条件で後悔しない

最後の関門は契約書です。

商談で良い印象でも、書面がすべてなので、サインの前に次の5点だけは必ず確認してください。

チェック項目確認する内容NGの状態
ドメインの名義医院名義で取得・移管できるか会社名義のまま変更不可
サイトデータの扱い解約時にデータ一式を引き渡す条項があるか「解約時にサイトは削除」とだけ書いてある
契約期間と解約条件最低契約期間・解約予告・違約金の額5年以上の縛り+高額違約金
著作権・利用権写真や原稿を医院が使い続けられるかリニューアル時に流用できない
追加費用の条件どこからが別料金かが書いてあるか「別途協議」しか書いていない

とくにドメインは、医院の検索評価が積み上がる資産です。

ドメインを失うと、何年かけて育てた検索順位もゼロに戻ります。

すでにサイトをお持ちで、今の会社からの乗り換えを考えている場合は、リニューアルの進め方も合わせて確認しておきましょう。

今日からできる一歩

ここまでの内容を、今日動ける形に落とし込みます。

やることは30分で終わります。

ステップ1(10分): 候補の会社(または今の会社)のサイトで、歯科医院の制作実績を医院名まで確認する。

実績の医院名で実際に検索して、そのサイトが上位に出てくるかも見てみましょう。

ステップ2(10分): 自院の状況を一言で整理する。

「新規制作かリニューアルか」「一番増やしたい患者層はどこか」——この2つが決まっていると、商談の主導権を握れます。

ステップ3(10分): 質問リストの1・3・4・6・7の5つを、商談メモとしてスマホに控えておく。

この5つを聞くだけで、危ない会社は候補から自然に消えます。

比較する会社は、タイプの違う2〜3社(歯科専門1社+総合1〜2社など)がおすすめです。

1社だけで決めず、同じ質問を全社にぶつけて答えを見比べてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 知り合いの紹介の会社に頼むのは安全ですか?

紹介は入口として悪くありませんが、比較を省略する理由にはなりません

紹介でも本記事の比較ポイント7つと質問リストは同じように当ててください。

断りづらさが残る分、契約条件の確認はむしろ慎重に行うのがおすすめです。

Q2. 安い会社(10万円以下)に頼むのはダメですか?

目的によります。

「まず名刺代わりのサイトが必要」なら選択肢になりますが、集患を目的にするなら、検索対策や予約導線の設計まで含まれているかを確認してください。

安く作って集患できず、結局作り直しになると、かえって高くつきます。

Q3. 今の会社に不満がありますが、解約すると脅されないか不安です

まず契約書で「契約期間・解約予告・データの扱い」を確認してください。

ドメインが医院名義なら、サイトを作り直しても検索評価の資産は守れます。

会社名義の場合も移管交渉の余地はあるので、あきらめる前に条件を整理しましょう。

Q4. 制作会社に全部お任せではダメなのですか?

制作の実務は任せて問題ありません。

ただし「どんな患者さんを増やしたいか」という方針だけは、院長にしか決められません。

ここを丸投げすると、どこにでもある「きれいなだけのサイト」になりがちです。

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この記事の監修:現役歯科医師(Dentique Atelier代表)

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